母国語教育の矛盾?

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さて、韓国にてまたもや面白いネタを仕入れた。
教えて下さったのは、例のごとく東亜大学校の李吉遠教授。
李教授は、大学では「日語日文学科」というトコに所属し、
「日本語を教えること」についての教育には、非常に長けている方なのです。
話をしていて、非常に不思議なのは日本語の文法について
我々日本人より、数段お詳しいわけですよ。
こんな話を聴きました。
「日本語の動詞の活用を、あなたならどう教えますか?」
日本語の動詞の活用。
そんなもん、中学校2年生レベルの話。簡単である。
五段活用・上一段活用・下一段活用・サ行変格活用・カ行変格活用、以上5点。
中学時代にしっかりたたきこまれたおかげで、テストでは確実に点を取れた分野だった。
それゆえ。
李先生からの質問には、何の疑問も持たずに、上記のごとく答えてみた。
ところが。
「じゃあ上一段と下一段を、なぜ分けて教える必要があるのですか?」
「!?」
「五段活用の活用を具体的にどう教えるのですか?」
「そ、それは未然・・連用・・・と・・・」
「『未然形』の『未然』って何ですか?」
「ぐ、ぐげげ・・・・」
言われてみれば、何にも説明ができない。
李先生が言いたかったのはつまり。
日本語をしゃべれることと、日本語を教えることは、全く別の次元であるということ。
外国語の文法をもっともきちんと客観的に把握するのは、得てして母国語をしゃべらない人
だったりするのだそうな。いや、ほとんどそうなっているそうな。
灯台下暗しって感じですよね。


ちなみに。
●五段活用 …一類動詞
●上一、下一…二類動詞
●カ変、サ変…三類動詞
と言うそうですよ、最近では。知ってました?日本人だけが知らないとか。
日本語を学ぶ外国人は世界中におよそ250万人。
うちもっとも比率が多い、およそ100万人が韓国人なんだそうです。
僕が以前韓国で日本語学習の現状を取材した1998年当時で50万人だったから
ここ7年で日本語学習者が韓国国内で倍増したということ。
しかも韓国全体の人口比率で考えてもこの増え方は尋常ではない。
ちなみに、逆パターンで見てみても、韓国語を学ぶ外国人も、もっとも多いのは日本人だそうな。
お互いがお互いの言葉の仕組みを客観的に知り、自国の言葉を理解していない。
これが両国の現状だそうな。不思議と言うか面白いというか。

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コメント

  1. こえび より:

    日曜日は、本当にお世話になりました。
    私も、李先生の話を聞いて、「母国語を教える難しさ」を
    改めて実感しました。
    (メール送付しましたが、とんちんかんな内容だったような・・・。重ねてお詫びいたします・・・。)

  2. こえび より:

    いや・・・「母国語を客観的に把握すること」ですね。

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