僕のビジネス論

解説|企業再生の厳しさと、その解決策とは?

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美少年酒造、民事再生申請=裏金問題で経営難加速[2009.04.17]

事故米転売事件で社長らが起訴された米粉加工会社「三笠フーズ」(大阪市、破産手続き中)から裏金を受け取っていた老舗酒造会社「美少年酒造」(熊本県城南町)が17日までに、自主再建を断念、熊本地裁に民事再生法の適用を申請した。負債総額は約19億円。帝国データバンクが同日、明らかにした。(時事通信社)

 

大変悲しいニュースを見て絶句しました。マスコミの論調などを見たあとだと一般の人は「当然だろう」という意見が出ることもあるでしょう。せっかく、今までの慣習や悪しき部分を抽出して再生を図ろうとしていた矢先なので、従業員の皆さんがどれだけ苦痛だろうと、考えただけでいたたまれません。

僕らが居を構える、博多駅には美少年酒造さんがからんだ居酒屋が3軒ございます。相変わらずそこは盛況ですが、やはり中で飲んでいるお客様や働いてる従業員さんはどのようなお気持ちでしょう。

 

事業の再建の肝は「数字での可視化」

実は以前、再建の渦中にいらっしゃるとある経営者にお会いしました。その方の会社は自主再建中でした。それでも再建に携わる銀行からの締め付けは厳しい・・・ともらしておられました。まぁ「締め付け」と言うと聞こえは悪いですが、とにかく厳格な再建計画の下で日々動いている。。。ということでした。

今回の美少年酒造の場合は、民事再生です。会社はなくなりません。ブランドも残るでしょう。でも一旦は破綻したという歴史が残ってしまう。。。その中で自主再建以上に厳しい日々が今後続くことでしょう。

 

ちなみに、自主再建を受けている社長さんがおっしゃっていたのは
「すべての仕事を数字で可視化することに尽きる」とのこと。
理論的には当たり前でしょうが、いざやると大変なことです。作業進捗や従業員のモチベーションから、さまざまな日々の経営指標まですべてを数値で管理すること。なのです。

 

これは僕らのような未熟な企業にも当てはまることです。今、自分自身の会社の仕事をはじめすべての事象をどの程度数字で表現できるか?社員はどの程度数字で表現することができるのか?再生事業を垣間見ると、そんなことを毎回思い起こされます。自分自身にとって重要な出来事でもあります。

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