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外国人採用が示唆する人材不足2つの原因・4つの対策

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2018年の臨時国会で入管法改正の議論は日本国内の労働人口の補填が主たる目的であることは明白です。安倍政権は本施策を「移民政策ではない」と答弁していますが1年以上の来訪があれば国連の定義上は移民である以上、私たちは「移民政策に基づく労働人口の増加対策」と捉えるべきと考えます。もちろん今回の法律改正で外国人労働者数が数万人増えたところで、日本国内の生産人口の減少に対する歯止めにはなりませんが。。

そもそも人材不足を理由に外国人は採れない

実のところ当社は2013年から韓国人の日本語人材の職業紹介を継続して実施していますが、飲食業や介護現場、ビジネスホテルのフロント業務のような人材不足が顕著な業種・職種は、入国管理局が単純労働と見做す業務であるため、そもそも職業紹介をしていません。現在の出入国管理及び難民認定法(入管法)は、人材不足を想定した在留資格の認定は一切想定していないからです。

外国人採用が示唆する人材不足2つの原因・4つの対策

ミスマッチが我が国の国益すら損ねる

韓国は大卒就職率の低迷が続き、日本への就職をしようとする人数が増えているというニュースが流れています。ニュースはそこまでの情報しか追いかけていませんが、同時に1年未満(中には2週間など)での離職が相次いでおり、その相談が当社によく舞い込みます。なぜならそもそも知名度はあるけれど離職率が高い企業が韓国に求人を出し、韓国の一部の大学や労働局がその知名度のみで就職先を選ぶ安易なマッチングが起こしていることに起因します。韓国側はそれらの企業がすぐに内定を出すので「採用人数増加」という実績を得られるため易きに流れるのです。

しかしそんな安直なマッチングで入社した人材が長続きするケースは稀です。技術・人文知識・国際業務の在留資格(いわゆる「就労ビザ」)で我が国に入国した人材が退職をする場合、離職後は就職活動をするための特定活動という期間限定の在留資格に切り替え転職活動に入ります。残念ながら新卒後1年未満で離職した人材を転職人材として受け入れる日本企業は多くありません。結果的に地方の中小企業へ新卒で入社していれば活躍したであろう人材が、ミスマッチを理由にやむなく帰国するケースが今も後を絶ちません。

中小企業が気づいた人材不足の2つの原因

図らずも本年のような外国人採用を行うタイミングであからさまになりましたが、今の日本で起こっている人材不足には2つの原因があります。

 

I.採用のミスマッチが起こっていること
日本人であれ外国人であれ、人材不足の大本の原因の1つです。求人・求職における情報の非対称性が目立ち、かつそれを解決しようとする動きが企業・求職者双方に見られないため離職率は今後も高まる傾向があります。特に名前や規模、安定志向で選ぼうとする大学や求職者の親も原因の1つに含まれます。

II.労働生産性が低いこと
ではなぜそもそも離職率が高いのか?それは労働生産性が低いことが挙げられます。労働生産性は人件費を付加価値で割った数値で測ることができます。この数値が低いということは給与や待遇にも魅力がない職場であることが露呈されます。給与や待遇に魅力がない原因をさらに分析すると

(1)そもそも付加価値が低い(利益体質でない)
(2)稼働率が低い壮年層の人件費が高い
(3)人材1名あたりの稼働率(稼ぐ力)が低い 

(1)~(3)を総合的にみると「職場に魅力がない」ことが分かります。職場の魅力とは、やり甲斐に直結し、稼働率にも直結します。

外国人採用の本来の目的は外貨獲得にある

入管法の立法趣旨に基づくと就労ビザの発給は外貨獲得に向けた例外的措置です。つまり外国人を採用する以上、企業は採用した外国人を用いて外貨獲得を行う事業計画を立案し実行する義務があるのです(ビザの名称に「国際業務」が明記される所以です)。複数言語を話せる外国人は語学力の低い日本人よりも生産性が高いことは明らかであり、彼らを用いて海外営業をさせることで新たな付加価値を造成させることが企業には求められます。くしくも安倍首相のお膝元である山口県のある旅館で、たった1名の韓国人人材を採用しただけで訪日韓国人のインバウンド宿泊の売上が40倍になったケースがあります。

外国人を活用した生産性向上策は?

成功の兆しがある企業が外国人採用を実施する前後に行った対策は主に4つあります。

(1)労働法規の遵守、契約書、就業規則の整備
(2)業務マニュアルの作成、研修、運用の徹底
(3)新市場獲得の計画と実行、社内の意識統一
(4)(1)~(3)の情報を盛り込んだ求人情報の公開

人材不足だけを理由に雇用を促進しようとしても付け焼刃的な対策で終わり、結果的に会社が何も得られないかもしれません。黒船が訪れるピンチはチャンスでもあります。従業員が自分の給料を自分で沢山稼げる環境を整える産業報国の機会がやってきたと中小企業の経営者が捉えてほしいものです。

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