戦争責任って何?

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今朝はいつもより時間があったので、ゆっくりと新聞を読むことができました。
おりしも本日は終戦の日。毎日新聞には独自の世論調査結果が掲載されていました。

世論調査:「間違った戦争」43% 「やむなし」29%[2005.08.15]
戦後60年の終戦記念日を前に、毎日新聞は13、14の両日、戦争の評価などについて全国世論調査
(電話)を実施した。日本が米国や中国などと戦った戦争を「間違った戦争だった」と答えた人は43%で、
「やむを得ない戦争だった」の29%より多かった。「分からない」という回答も26%あり、日本人の戦争の
評価は必ずしも定まっていなかった(毎日新聞)。

この記事のほか、特集で掲載されている記事を端から端までひととおり読みました。
この記事を含めて思うことがありまして、ちょっと書いてみようかなぁと思ったわけで。
「間違った」「やむを得ない」という二分論で太平洋戦争を尋ねることそのものが、そもそも
おかしいんじゃないか?とまず思ったわけです。まずもって、尋ねている人のほとんどが
戦争を体験していない人。つまり歴史教育で先の戦争を学んだ人です。
戦後の歴史教育は、数十年間問題になっているように、イデオロギーを押し付けようとしてきた
日教組の強硬派、また一方で戦争の正当性や美談だけを何とか推し進めようとした一部の右派
といった方々のお蔭様で、「主観に満ち満ちた」教育が続いています。
その証拠に、一方で「ふっつーに教えている歴史教育」は大体、明治時代あたりでタイムアウト。
「あとは教科書読んどきなさーい」と適当にあしらった、社会科の先生を僕は何人も知っている。
僕個人の経験から言えば、幕末から戦後までの歴史を一本の筋で、きちんと学んだのは
予備校に入ってから。理由はもちろん「私大の試験に出る『穴』だったから」。
別に近現代史を掘り下げる教育が重要である!なんて思ったわけでもなんでもない。
このように、高校まで教育を受けている人間ですら、まともに戦争の歴史を学んでいない。。。
そんな日本国民に「あの戦争は間違っていたのか?」なんて質問したって、「主観」でしか
答えんくさ。前日に戦争反対の番組を見てりゃ「反対」と答え、やむを得ないという論調の
雑誌を読んでりゃ、「やむなし」と答えろーもん。人って影響されやすいんやけんさ。
ナチスドイツの戦争とは明らかに異なり、日本の戦争の場合は「間違い」 と「やむなし」
混在しているからこそ複雑であり、正確な把握と学習、そして今後のための戦争防止策の
研究がめっちゃ重要になります。
日本が帝国主義に突っ走ったのは、列強に植民地化されないため。
幕末の志士・明治初期の為政者の熟慮の末の結論。そのためには富国強兵が絶対に必要だった。
日本が今、先進国でいられるのは彼らのこの判断のおかげ。
感謝こそすれ、批判されるような事象ではない。この事実が戦争を生んだというならば「やむなし」でしょ。
歴史に「if」はタブーですが、開国が日本より韓国の方が先立ったら、歴史は逆転してたかもしんない。
まさにタイミングやロケーションも歴史を作る。韓国より日本が先に富国強兵に走ったのも「やむなし」
国内の為政者の間で論争を二分した脱亜入欧。アジアを切った考えも結果的には「やむなし」
で。
国力をつけて帝国主義の列強に近づくには「条約改正」「韓国併合」が明治時代の課題だった。
それが帝国主義的先進国になるための唯一の道であり、それをわずか50年足らずで達成した。
韓国にとっては、はなはだ迷惑で不名誉な、そんな日本の目標ではありましたが、
完全に日本だけの都合で言えば、これまた「やむなし」だった。
じゃあ、どこからが「間違い」
併合後の韓国での政策や日本人のあり方にも「間違い」があった。差別意識などはその典型。
そして、昭和に入ってからの軍部の暴走。これって「間違い」の典型?
とりわけ満州国建国の方法や、それ以降の関東軍の動き。放任した政府も「間違い」
ただ軍部の動きを「間違い」というのは簡単ですが、
「間違っとるぞ!」と言えば殺された時代。
「言えんかった」のは「やむなし」か?それゆえ陸軍は突っ走ったのかい?
北の大陸をそのままに、南部へ侵攻したのは「戦略上の『間違い』」か?
でも歴史上は「やむなし」なのか?止められなかったからか?
その結果、軍紀が乱れて虐殺や強奪が横行したのは「やむなし」か?そら違うやろ。
どの面から見ても許されないことをやっている事実は、残っているんよね。戦場には。
とまぁ。
こんな風に歴史上の事実や事象をひとつずつ繙いていくと、「やむなし」「間違い」
混在しまくっている。そのくらい戦争の歴史とは複雑なもので、すでにグローバル化していた
60年前の事情を世界史レベルで正確に把握していないと、すぐに主観で短絡的に
当時の事象を評価してしまう。そんな単純な二分論をあおるマスコミはいかんやろ。
まぁこんな風に今回の記事を読みながら思ったわけで。
で、それ以上にもうひとつ大事なことに気付いたのですけど。。。


それは。
戦中に明らかな「間違い」を犯している連中がいたことに、触れていないこと。
何かというと。。。
「マスコミの煽動報道」
これに尽きます。太平洋戦争の戦争責任が誰にあるのか?と言えば、
それは「世論」であり、その操作を行った「新聞社」の罪が、非常に大きいはずです。
「政府の圧力があったので。。。」これを、「やむなし」と捉えましょうか?
本当か?
「世論」のバックアップがあってこそ、関東軍も遠慮なく動けたのではないのかな?
戦争は勝っている。日本軍は強い!この戦争で大東亜共栄圏を実現でき八紘一宇を実現できる。
って、思わせてなかったか?マスコミが。思わせておいて、戦場には死屍累々のみ。
つまり僕がもっともきょうの新聞を読んで考えたのは、
「自分自身に対する戦争責任をもっと考えて掲載しろよ」ということ。
戦争責任を語るにあたり、各新聞社が傍観者や批評家になるのは一億年早い。
今でこそ平和・反戦を掲げる朝日新聞なんか、国民煽動の旗頭だったのをご存知でしょうか?
まぁどの新聞社も状況は似ているはず。自前の責任をもっときちっと果たしてみろ。
それだけマスコミに力は怖いのです。自覚が足りんちゃないとね?

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コメント

  1. webmaster より:

     いやいや、どこの学校も一緒だね。
     授業の関係上、世界史と日本史を受けていた。世界史は2年がかり、日本史は3年だけだったけど、ともに近代史は習っていないね。「時間がないから自分でやれ」と。でも、試験で問われ、大学に入って学んだのは近現代史。
     教育システムの根本を一度壊さんとだめちゃいますか?
     どうね、選挙でらんね? 候補者さがしとうらしいよ(^^ 
     特に福岡1区。ホリエモンの名前をあげることが信じられんけどね。ぜがひでも勝ちたいんだろうね。
     それにしても夏休みとはいいな。おれは2日だけ。今日が最後。ゆううつだね。

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