とんでもイングリッシュ その6

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さて、きのうに引き続きダメ押しのように病気の話をしましょう。
「海外での病気」というのは、本当に些細なことでもビビりますよね。
「症状を言えない」「病院の行き方、接し方がわからない」「薬が合うか不安」などなど。
それ以上に、「その国の医療事情への不信」みたいなのもどっかありませんか?
たとえそれが先進国であったとしても・・・。
そんな中、僕は大学卒業間近のいわゆる「卒業旅行」で、同級生3名と一緒に
「ケニヤ」に行ったのです。アフリカのケニヤですよ。サファリ、マサイ族のケニヤです。
この時点ですでに、後先考えていないのが十分おわかりかと思います。
しかしこれは物語の始まりでしかありません。
一行4名は首都ナイロビから車で4時間30分近くかけて、ナクル湖というポイントへ向かいました。
ここはフラミンゴの大群を見ることができるとか。初回からワクワクです。
宿泊は各地にある「ロッヂ」。ケニヤは元イギリス領なので、保養地として今も重要な
国なのです。つまり宿泊施設やそのホスピタリティはかなり充実しています。
翌日、早速サファリツアーに行こうとしたところ、同行者のうちの一人「ナギ」が、
「熱っぽい。寝ててもいいかいなぁ?」と弱音。「おいおい黄熱病かぁ?」とギャグをかましながら
さっさと置いていきました。さて帰ってくると・・・。
さらに熱が出ている。ちょっとギャグが言えない雰囲気。大丈夫かなぁ。。。
もしも症状がひどいようだったら、明日あたり医者でも行くかなぁ?と言いながら
ホットチャイと風邪薬を飲ませて、寝かせました。 ところが・・・。
時刻は深夜2時。ツインルーム2部屋のうち、僕と「いわ」が寝ている部屋にもとどろく程のでかい声で
「ぎゃ~~~!!!!!」
という叫び声!!
「どうしたどうした???」と、「ナギ」と「けんちゃん」の泊まる部屋に入ると・・・
お腹を押さえて、のた打ち回る「ナギ」の姿。
これは何かしらんが、とにかくやばい! 病院に行こう!と思い、
ロッヂのマスターと、雇っているドライバー・ジョセフをたたき起こして、田舎町の病院へ。
かなり動揺していたので、またもやここで単語が出てこない・・・。
「腹・腹・腹・・・・・ ストマックじゃなくて・・・えーっと。。。アブドメンだったっけか。」
で、ここが痛い。。。とジェスチャーで「僕」が伝えました。
そりゃ、本人は無理でしょ。 そうして、その医者はおもむろに紙へ症状を書きました。
 
“appendicitis”   
ん?なんじゃこりゃ???  おもむろに辞書を調べました。すると・・・。(つづく)


「盲腸炎」
「なに~~~~っ!?!?!?!マジかよ?おい。」 と、日本語。
しかもこの田舎町の医者が言うには・・・
「朝までにナイロビの病院に運んで手術をしないと、死ぬ」と。
こりゃいかん!と、すぐさま彼を車に乗せて、深夜の悪路を一路ナイロビへ・・・
ナギは僕のヒザマクラに寝たまま。腕に点滴を打っており、点滴の瓶は僕が上にあげての手持ち。
とにかく遠かった。3時前に出発して、明け方7時前ごろにナイロビの病院に到着。
即、手術室へ。やれやれ。なんとかなったばい。
手術後、担当医に呼ばれ、またもや治療の説明。ここでも英語。。。いいかげん疲れた。
。。。大腸「large intestine」を洗浄して、なんちゃらかんちゃら。。。。
虫垂は破裂しててどうたらこうたら。。。。と。
結局、僕らはナギをナイロビの病院に押し込んで、薄情にも残った3人でサファリツアーへ。
しかもナギを置いて日本に予定通り帰ったのです。彼が帰ったのはその1週間後。
今でも卒業旅行で覚えた英単語は、動物の名前ではなく
「虫垂」「盲腸炎」「点滴」「大腸」といった、おぞましい単語ばかり。二度と味わえない体験ですな。

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