桜色の開発

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昨日、とある水産加工会社の社長と一献傾けることとなりました。
この社長はかなりヤリ手の社長さんでして、目下のところ
特許を獲得できる技術をもって、新規事業を立ち上げようとしている。
その新技術の詳しい内容を、何の利害関係もないボクにわざわざ何度も教えてくれるのです。
ボクがこの話を聞き、事業の方向性を伺う限りでは、かなり「当たり」そうな予感がしました。
この社長が主に携わるのは、水産品。それも養殖に関しては一家言お持ちなわけですよ。
「養殖」の魚というと、「脂っこい」「くさい」「まずい」という印象がつきまといます。
確かにまずい魚ばっかりだと思います。
とはいえ。
「まずい」と(一般常識で)思われている食品だけに、
今後の展開次第ではビジネスチャンスがあるのも事実です。
これは以前「おせち料理」の話をしたときも同じ事を言いましたが。
以前ボクが取材をした「うなぎ」も、いまや天然モノが「マズく」て
養殖モノこそが「うまい」のが業界の常識となっています。
これは理由が簡単でして、天然=自然破壊が進み、「本来の天然」
の環境で育たなくなったわけ。で、養殖=「本来の天然の回帰」
を目指したがために、美味しいうなぎが出来上がったそうですよ。
それと同じ理屈で「養殖」もその印象をよくするための努力を業者さんは続けているそうですよ。
で、鯛の話。
養殖の鯛っちゅうのは、はっきり言ってまずい。「脂っこい」味と香り、
さらにはドス黒い色が食欲を減退させます。
しかし。
このあたりの問題が徐々に解決されつつあるそうな。要は「えさ」と「生け簀」に問題があるそうな。
「生け簀」は、しっかりと泳げる広さや深さが重要だとか。
生き物だけにストレスもたまる。ゆえにストレスが溜まらない環境を
作ってあげればいい。。。と。
但し業界内では生け簀の形が「丸」がいいのか「四角」がいいのか議論が尽きないそうな。
そもそも魚は「円形軌道」を泳ぐ習性があり、ゆえにスイスイ泳ぐには「丸」じゃないといかん、とか。
ところが。 「泳ぎが嫌い、疲れやすい」。。。そんな魚もいる。と
(ホントかいな?!)
ゆえに、そんな魚たちのために「四隅」を作ってやらんと、ストレスがたまるげな。
(だんだん、わけわからんくなってきた。。。。)
と、まぁこれだけ真剣に研究を重ねて「うまい養殖鯛」をこしらえているらしい。
で、肝心な「色」ですが、鯛の鯛たる色「桜色」を出す方法が、あるそうな。


それは。。。甲殻類の持つ色素が決め手だとか。
従来の養殖鯛は「いわし」が主な餌だと。ゆえに「臭さ」や「ドス黒さ」が
出てくるとか。。。もちろん「ドス黒さ」の一因には紫外線も挙げられますが。
で、鯛は元来カニやらエビやらを食べるはずなので、そこにヒントがある。。。とさ。
驚いたのは。。。
⇒まず「カニの殻」を食べさせる。。。  すると「黄色っぽく」なるそうな。
⇒そして「エビの殻」を食べさせる。。。
 すると、あら不思議! 「桜色」の鯛ができあがるそうですよ!
これがまた何故か知らんけど、最初っからエビだけ食べさせても
「桜色」にはならんそうな。うーむ。
そして、養殖と天然がより見分けの付かない鯛が市場に出回るそうですよ。
これがいい事なのかどうか、ボクにはよくわかりません。
ただ、「研究開発」のポテンシャルっちゅうのを感じたのは事実です。
で、もちろん化学薬品を使っているわけでもないので、人体に悪影響があるような
ことは全然ない。
うーん、不思議だ。こんな話をしながら、この日2人でつまんだ刺身は
「天然の鯛(ホンマモン)」だったから、ちょっと皮肉!?
だって、社長が「いやーこの鯛は、本当にウマいねー!」って言うんやもん。。。(^^)ゞ

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