当たり前への慣れ

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あまりにも抵抗勢力のテロのニュースに慣れてしまったせいか、
別にいつ何人死のうと、「ふーん」と聞き流してしまう、コワイ自分がいる。イラク情勢のハナシ。
そんな中、ニュースが飛び込んできた。

命かけ1票、イラク各地で国民の希望の証し[2005/1/31]
 イラクで30日に行われた暫定国民議会選挙は、武装勢力のテロ攻撃に見舞われながらも、
ほぼ成功裏に終わった。イラク・米軍の徹底的な治安対策もさることながら、
民主国家建設に参加しようと危険を冒して1票を投じた国民の意思によるところが大きい。
(バグダッド ソブヒ・ハッダード特約通信員、カイロ 柳沢亨之)

内容はどうあれ、とりあえず「選挙」が終了し、独裁政権から新しい時代を築くに当たっての
一歩を踏んだ歴史的なニュースでした。これはこれですごい。でももっとすごいハナシは。。。。
「死を覚悟して投票に行った人が多い」こと。
行けばテロに巻き込まれるかもしれない。少数派の人間から殺されるかもしれない。
そんな命の危険まで冒して、あなたは選挙に行ったことありますか?ないでしょうね。
あるわけないはずです。出口調査しているマスコミが、自分の支持しない政党の名を聞いた瞬間に
自爆したりしないでしょ。言論を暴力で圧殺するなんて・・・幕末じゃあるまいし。。。
20歳以上の男女には日本国民ならば平等に与えられているのが選挙権。
60年前に勝ち取った権利を、今の時代は放棄する者がゴマンといるのが、平成のニッポン。
どんなにいい議論を選挙運動中にしても、選挙権を持つ人間がそもそも関心を持たずに
知らない方向に政治が向かう。一部の強力なシンパだけが、それぞれの支持する政党に
投票するだけの選挙。あまり意味を感じない。
命がけで得た権利も、60年経ったら単なる儀式か、利権獲得の手段にしかならないなんて
民主主義というイデオロギーもだんだん風化してきた気がしてならんなぁ。
そんな陳腐になった姿を、中東諸国の連中が見てるからこそ、
「アメリカの押し付けによる民主主義はいらん!」と言ってるのかもしんない。
「板垣死すとも、自由は死せず!」 この気合で投票に行け!っちゅうことかいな?
ある意味、イラク人に教えられた気がしたりもするわけで。。。


ただ、一方で今回のイラク選挙で気になることがあります。
それは。
スンニ派のほとんどが、投票を拒否していること。
シーア派とクルド人勢力の意思だけが、票に反映している模様。
上記3代勢力だけで、勢力分布図ができることに、ちょっと危険性も感じるわけで。。。
なぜかというと、そもそも政治に宗教が絡むとろくなことがない。
まるでマインドコントロールのように、ひたすら投票し続ける。同じ政党へ。同じ候補者へ。
懸案事項を個別具体的に検討して一票投じる。。。なんてハナシは聞いたことがない。
イスラム教の両派の団結力を垣間見ると、
共産党を推す県労連や赤旗シンパ、公明党を推す学会員、自民党を推す農政・郵政族など。。
こんな構図を彷彿とさせてしまう。ボクに言わせればこういう大票田所持党も
政治を膠着させる原因のひとつだと思ってしまうわけなので。。。。

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