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北朝鮮が参加を留保 「核兵器」保有も明言 ~極東の軍事力の現状

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聞きたくないニュースをついに聞いてしまった。

 

北朝鮮が参加を留保 「核兵器」保有も明言 [2005.02.10] 
北朝鮮外務省は10日、核問題を巡る6カ国協議への参加を「無期限中断する」との声明を発表した。声明は米国の敵視政策に対抗するため「自衛のために核兵器を製造した」とも明言した(毎日新聞)。

やれやれ、やっぱりこうなった。これで完全に核不拡散が画餅に帰したことになってしまった。

 

海栗島分屯基地 ここから対馬海峡と朝鮮半島へ睨みを利かせる

 

日本の周りには核保有国が4カ国になってしまった。6カ国協議参加国のうちの4カ国・・・。そもそも6カ国協議は北朝鮮の核拡散を防止するのが目的だったのにそれをみすみす許してしまった。

アメリカべったりの防衛・外交戦略が奇しくもイラク戦略で厭戦ムード漂うアメリカの実情があったために北朝鮮を甘く扱った故に、裏目にでてしまい、そのしわ寄せを韓国と日本が食ってしまった。しかもイラク戦略の後はイラン戦略。結局アメリカもオイルマネーに目がくらんで中東タタキをしているだけだから、北朝鮮をはじめ極東を軽視してる。

どこが世界の警察じゃ。所詮は自国のカネのために戦争してやがる。

日本がどういう外交戦略をうつべきか、諸外国の動向や経済の動きなどを総合的に鳥瞰できていないから、結局まわりの国ばかりが動いてる。さて、その蠢動の中で、しれっと核保有を宣言しいよいよ世界的に孤立しつつある北朝鮮。奴らが核ミサイルを作ったのは何故なんでしょうか?

コリアリポート編集長 辺真一氏は
「第二次朝鮮戦争が始まったら核ミサイルの発射は避けられないでしょう」と明言してた。

そらそうだな。じゃなきゃ作らんやろ。さて、どこに落ちるんだろうか?

こういう話が出たときに、オタオタするよりも少し冷静に分析し考えた方が賢明なんじゃないか?というのが、ボクの持論です。

実際に原爆が落とされた日本だと、広島や長崎と同等の方法で攻められるようなイメージがあるかもしれませんが、時代が違う。

「ミサイル」による攻撃が全盛期である現在では、「まず」飛んでくることを考えておかないといけません。つまり「先制攻撃=死」を意味し、専守防衛という考えが根底からなりたたないわけ。まさにお題目。これはこまった。

「威嚇」として「ミサイルを飛ばすことをちらつかせる」か、とりあえず「一都市だけを破壊」するか。ところが、世界で孤立化しつつある北朝鮮がいざ戦いが始まって「威嚇」という行為に出るとは考えにくいですよね。

これは歴史がすでに語っています。昭和25年の朝鮮戦争では6月25日に戦いを始めてわずか3日でソウルが陥落しました。つまり北朝鮮は先制攻撃を重視します

つまり「後がないから」。となると、しょっぱなから有りっ丈のミサイルを主要都市にぶちまけるでしょうね。日本国内はノドンミサイル40発が北朝鮮から向けられているそうな。

そのうちのどれだけに核弾頭が搭載されるんでしょうか?まぁ主要都市数箇所と、在日米軍基地があるところや自衛隊の大きな基地があるところでしょうか?

韓国ならソウル・プサン・仁川(インチョン)日本なら福岡・北九州・沖縄・佐世保・岩国・沖縄・横須賀・・・そして大阪・東京
こうやってまず相手の戦力や経済力を大幅に叩いて、さらに畏怖を増さないとその後の陸軍派遣が効率よくいかない。まさか自前の軍隊がいる都市に自前の核ミサイルを撃つわけいかないでしょ。

まぁ、こんな話をするだけで、日本人って怖がったり、話題を避けようとしたりしますよね。ボクにはこういう傾向が「平和ボケ」だとしか思えないのです。

お題目や理想を唱えるよりもまずは「現実をきちんと捉える」ことが重要。なのに肝心な作業をせずに、論じる内容から右派左派とイデオロギーのレッテルを貼る。過激な右翼は戦争しろーと怒鳴り、過激な左翼はひたすら護憲と自衛隊放棄を唱える。どっちも現実を無視しすぎてる。

朝鮮半島という準戦時国(ということも皆忘れてる)の鼻っ面に位置する、福岡に住んでいる一市民として、「現状を知らない日本人」にボクは警鐘を鳴らしたい。僕らの国の周りにどれだけの軍事力が展開しているか?ご存知でしょうか?

これは、2003年の防衛白書から引っ張ってきました。
⇒陸軍だけで見ると・・・

  • 北朝鮮 :100万人
  • 中国  :160万人
  • 韓国  : 56万人
  • 在韓米軍: 3万人
  • 日本  : 15万人
  • 在日米軍: 2万人
  • ロシア : 11万人
  • 台湾  : 24万人

なんと陸軍だけで370万人。もちろんロシアの人数は「極東軍」だけ。国軍全体を含めたら軽く400万人を突破。しかもこのほかに艦隊・航空機があり、米軍には第七艦隊がバックにある。

米軍・自衛隊は海軍を中心とした潜在能力(ケイパビリティ)を加算して、なんとかよその国との軍事バランスを保っています。

こーんなに軍事力が「密集している」ところは世界中どこを見てもありません。もちろん「密集」=「いつ戦争が起きてもおかしくない」という意味ね。EUなんかは、戦争の勃発の可能性が極めて低いし。。。軍事力密集という極東の現実。世界有数の打撃能力を持つ自衛隊の潜在能力を持ちながら「軍隊を持たない」と明言する矛盾。言えば言うほど、諸外国から「うそつき」と思われます。

平和憲法を持ちながら、諸外国の軍事バランスを保つために兵力を持ってきた60年の歴史をきちんと国民と諸外国に説明する義務こそ、政治家は持ってるんじゃないかな?

理想ばかりを唱えて、なんら外交努力をしてこなかったという日本の「無作為の責任」が北朝鮮の核保有を許した一旦にあるんじゃないかな?

地元の利益誘導だけを考えて投票してきた国民意識が、結局アジアの玄関口を再び危険にさらしています。腹立たしい。

今や誰もしらんでしょ。朝鮮戦争の爆撃機のうち、数多くが「福岡空港を飛び立った」という史実。プサンまで北朝鮮が占領したら、次は福岡が叩かれる予定だったという史実。元寇の時代から、夷敵の受け皿は福岡や壱岐対馬ばっかり。損な地の利だ。。。

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