放送局裏話

子どものチカラ

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ラジオをつけて、放送を聴くという習慣をお持ちでしょうか?
多分ないでしょうねぇ。

日中でしたらラジオを聴ける環境がない限り、接することすらできないものです。
放送局では日中にラジオを聴く、「聴取者」のほとんどを「ドライバー」と捉えています。

つまりは、車の中で聴く人。
タクシーの運転士さん、営業車に乗っている方、取引先などを回る自営業者など。

ところが。

福岡で言うと、平日のラジオって等しく面白くない。

「面白くない」のは民放の話。福岡の場合はAM2局にFM3局。

一方でこの時期面白いはNHK。
午前に放送している番組は「夏休みこども科学電話相談

いわゆる「つい聴いてしまう番組」の典型。

きょうも出張で佐賀に行った折、タクシーに乗った。

行き帰りのタクシーとも、運転士のおいしゃんは、夏休みこども科学電話相談を聞いていた。
別に自分の子どもや孫が出ているわけでもないのに。

「子どもっちゃあ、なして こげな発想を持つですかねぇ・・・?」
聴き手の感想も、みな同じ。異口同音にこんなセリフを口にする。

きょうも
「台風○号は、いつから数えだすのですか?元旦から数えてるんですか?」
「レトリバーとヨークシャテリアが結婚したら、どんな子犬が生まれるんですか?」
「チンパンジーはなんでウンチを投げるんですか?」
と、次から次へと湧き出ていた。回答もなかなか的確。

たまーに難しい内容に触れても、
「わかったかなぁ?」と聴かれると
「わかった」と子どもは応える。この一律の反応も笑える。

終わりは必ず「さようなら」。

しつけのいい子は「ありがとうございました」を添える。

家庭のしつけも聞き比べられるから、面白いわけで。
そういえば、先日自分の子どもたちと会った際に長男の晋平からこんなことを尋ねられた。
「海の水はなんで塩辛いの?」と。

こまった。

他に尋ねられた質問については、かなりの範囲でわかりやすく答えたつもりなんだが
この質問だけは的確に答えられなかった。答えられなかったからこそ、この疑問を覚えているわけ。

かのエジソンも「なんで?なんで?」魔だったそうな。
最近の大学生が「なんで?」を言わない、論理思考能力がない連中が多いだけに

こういう疑問を持つ生活を、いかに持続させるかが大事だよなぁ。
子どもって、いつごろから疑問を持たなくなり、理科が嫌いになり、算数が嫌いになるのかな?
現代において非常に顕著であるこの傾向が、実は国を滅ぼすと思うんだけど。

放送局での番組も同じことで
「疑問を持つ」「それを調べる」って感じの話題が減った。
つまり取材することが減った。

これが番組の面白くない原因。
特にラジオはこの傾向が顕著。適当におまかせでしゃべらせる。

ただそれだけ。
情報がない。

ラジオは情報が命。テレビ以上に重要視されないといけない。
じゃないと、いざというときに信頼がなくなる。

大雨、洪水、台風、事件事故、地震などなど。
日ごろの研鑽の積み重ねこそ、媒体の価値の向上につながるのに。
それを放棄するから、聴く人が減るんだよな。

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