鬼は外、福は内

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6月に入ったのに、なぜ節分でお馴染みの言葉を出すのか?
実は、この言葉に「日本人に古くから宿る精神」がある、という話を聞いた。
お話してくれたのは、清水先生という建築家だ。
この言葉を簡単に解説すると…要は
「家の中が福であればよい。という考え」だと。
家の中のインテリアや家の中の環境を第一に考える。
しかし、それはあくまで内側。外側はどうでもよい。
何がいいたいかと言えば、街中における自分の家の
あり方、存在、レイアウト、その当たりへの配慮が欠けていると。
町に建物がある以上、そこには「調和」が必要でしょう。
その「調和」を考えない作りは、やはりいただけない。
もちろん日本国内には、この調和が整っている地もある。
白壁や武家屋敷なんかは典型でしょう。しかし今の日本はそれを欠いている。
で、とりわけ今の福岡市にはそれがなさ過ぎる。
これまた理由があるだろう。歴史的理由が。
なんつったって、福岡は城下町と港町が合体した町だ。
全くコンセプトの違う2つの町がそこに共存しているわけだから
これを統一させるのは、無理があるだろう。
では福岡&博多で色分けできるのか?
これも無理だろう。だって、今更それを分けることの意味がないから。
要は戦後復興からがむしゃらに町を作ってきただけに
「見せ方」という点までフォローしきれていないのが、福岡の現状。
でもいまやアジアからの観光客数も伸びているわけだし、
彼らへのホスピタリティも考えた形での演出や街づくりが必要だな、
と改めて思った。 鬼は外じゃないんだから。


ちなみに。
その点いくと、自分が訪れた数々の町は
すべて観光客である僕を「歓迎」してくれたところばかりだ。
この視点でいくと福岡は「歓迎」の町ではない
というのがやはり結論として出てしまうのが悲しい。

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