放送局裏話

放送局の企業戦略とは?

  • LINEで送る

そもそも論ですが、企業の戦略とは何か?
という問いに対して、一般的に使われている答えとは
「経営資源の最適配分」ってな文言です。
経営資源とは、すなわち「ヒト・モノ・カネ」でして。
ということは、その経営資源の内訳と詳細を経営者は
知っていないといけないということは、言わずもがなです。
昨今、コストカッターなる者が、さもすごい経営者として
もてはやす傾向がありましたが、それは明らかに間違いであると
僕は考えています。同時にそう考える人は、実は結構いる
ことも知っています。

例えば。
人件費がかかるから、社員を減らす。管理職に無理やりする。
こんなの愚の骨頂でしょう。経営資源の「カネ」しか見てないんですから。
その「ヒト」が持つ「技術・ノウハウ・特技(=モノ)」を無視し、かつ
投資しないんですからね。
経費をかけない=投資をしてない ということ。
この場合の経費とは、P/Lの費用だけじゃありません。
C/F上で出て行く、営業キャッシュアウトや投資キャッシュアウトなどの
概念的な経費のこと。つまり将来の会社経営のために
今突っ込むゼニのことを表わします。
実は先日、某テレビ局の金庫番と一献傾けてこういう話をした。
地上波テレビデジタル化の設備投資でビビリ上がって、
制作者を外注し、社員を減らし、単なる電波出しのインフラ屋と
なっているわけです。昨今のローカル局の多くが。
僕がもしこういう会社の株主なら、キャッシュアウトが減り
コストカットに勤しむ、こういった会社に思いっきり突っ込みを
入れることでしょう。
これだけインターネットが発達し、かつメディア媒体も多種多様化
する中で、インフラだけを抱えることが、いかに恐ろしいことなのか?
全く理解していない経営者がローカル局に多いことに、呆れるやら
悲しいやら。。。。
インフラを抱えるということは、売れないホテルの空室を抱えることと
全く一緒です。そこをどう埋め、どう効率よく稼動させる?
それができないなら、どうやってよそからキャッシュを稼ぐ?
以前の放送局ならできたはずのコンテンツ制作も、できる人間を
次々と消していったことで、もはやもぬけの殻となっているのですね。
「ノウハウの継承」「モチベーション論」が嫌いという経営者もいるとか。
すべての経営判断は勘に頼るという経営者もいるとか。
今後、広告売上が徐々に減り、コンテンツを自らの手で作り配信する
術を持たなくなるであろう放送局。。。。
数年のうちに、事業価値を大幅に下げて お買い得な会社になってたりして。
今のうちにコンテンツを生み出す仕組みを考え出すことこそが賢明であると
僕は考えています。
このことを踏まえて対策を具体的に採ろうとしている放送局も知っているだけに
悲しい二極化の事実を知ると、聞くたびに痛々しくなるものです。

  • LINEで送る

コメントを残す

*