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外国人採用の企業にありがちな就業規則や雇用契約書の不備

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「外国人採用の受入体制ができていない」とは?

採用に関するお話を企業とする中で、よく耳にするのが「外国人採用の体制が整っていないのでお断りします」という断り文句です。ところが、お話をよく聞くとそもそも「外国人採用の社内体制」が何なのか?を理解しないまま、このセリフを漏らす日本企業が非常に多く、驚きます。

我々プロの側から申し上げると「社内体制が整っていない」のではなく、「そもそも外国人採用をする気がない」「外国人採用を軽視している」だけのケースがほとんどです。社内の労務が雑な会社であることが浮き彫りになるだけでなく、大きなトラブルを起こす不発弾を抱えていることに、気づいていないことがとても不幸に感じる訳です。

 

就業規則・雇用契約書を翻訳しましたか?

「日本語が分かるから日本語で契約」なんて超リスキー


社内のスタッフを管理する中で、管理の意図と目的を経営者の目線できっちり可視化できるツールが就業規則であり、個々の雇用契約を管理することが雇用契約書なのです。しかしながらひな形をコピペしたり、昔から何となく存在するから目も通しておらず旧態依然としたままで文面を残しているケースが多く見受けられます。

さらに言えば、(業務マニュアルではなく)社内のルールを正しく・わかりやすく社員へ伝えるための時間や仕組みを伝えているケースが非常に少ないように感じます。社内のルールを故意に守らないようにしてやろうと考える従業員はなかなかいないでしょうから、ほとんどが誤解や過失、認識不足や能力不足に基づくルール逸脱が想定されます。そんな社員目線での情報伝達と管理運営を考えていない会社は「外国人採用の社内体制」ではなく「社員管理の体制」がそもそもできていないだけであり、外国人採用の話が出た時に、それらの課題がつまびらかになったにすぎません。

性悪説に基づいて就業規則を追記してトラブルを予防する

あなたが考えているよりも不良社員なんて、いくらでも想定されます。外国人採用の場合のルールは対外国人ばかりを気にしますが、実は社内の既存日本人従業員に対しても新たなルールを設ける必要があるのです。まずは日本人従業員に対する 例えば、こんなケースです。

「あの人、○○人だから、××をしそう。気持ち悪い」とかコソコソ中小誹謗するケースは過去に聞いたことがあります。ここへの楔を打っていますか?昔ながらの人にありがちな、情報をあまり持たずに、海外渡航の経験もない方などは、差別的な言動や態度をすぐに取るケースも考えられます。経営者はここを想定する必要があります。

「日本語の意味が分かりませんでした」とシラを切るケースが増加

次に採用をした日本語堪能な外国人が起こしたトラブル事例です。よくあるのが突然「言語不理解」を主張するパターン。

特にお金の話と、都合が悪い時だけ、「日本語が分かりません」とシラを切って、トラブルを発生させるケースがあります。

 

①お金でのトラブル事例
(例)「契約書では賞与=業績連動給であると記載しているのに、『聞いてない』『友人の会社は違う』などムリクリな理由を付けて賞与は毎年もらえるはずだった」と主張して、そのまま労働基準監督署に駆け込んだ、、という事例

(対策)雇用契約書の翻訳と母国語での説明を通じて、スキのない契約をする必要があります。単に「業績連動」と書かずに、趣旨を記載する(必ず出るわけではない。企業が指示をしあなたが業績を達成した場合以外は出ない。その判断は会社が行う。などなど)

②都合が悪くなって逆ギレする事例
(例)勤務以外の日に会社の備品を使って、巷に出むいて、奉仕活動や通訳などを行い、社名を名乗っていた。「私はルール違反をしているわけではない。世の中のためになることをしているのに、日本の企業は私に意地悪をする」などといって、SNSで拡散した、、、という事例

(対策)こういう一文でルールを作り、そもそもボランティアや業務以外の活動に釘をさします。

特に宗教活動(布教活動や奉仕活動)や、同じ民族同士でのコミュニティ活動を会社が把握しておらず、他方でルールがないまま注意喚起をしてしまい、起こしたトラブルという事例を見て来ました。

高度人材ビザ発給された直後に転職!なんてケースが増加

さらにきつい話ですが。。。(あの国は親日国だなどと言われる)とある国の人材の事例。内定を出し在留資格が出て入社直後に退職希望を出してきた((+_+)) というケースがありました。おそらく自国の資本の別の会社と既に結託しており、内定を出した企業をおとりにしてビザ発給の手間と手数料を払わせたのちに、会社を鞍替えするという計画的な行為ですね。これって場合によっては詐欺罪が成立する事案です。内定時における(母国語での)念書や、法的措置と通報、そして解雇に関する規程など、きちんとできていないと、こんなケースが起こるわけです。

巷の人がいう「親日国」って表現が最も信頼できませんし、そんな一方的なイメージに基づく信頼は、企業にとって何のプラスにもならず、むしろ判断を鈍らせる先入観でしかありません。「外国人採用の受入体制」の大前提は「先入観や偏見を除去し、冷静冷徹に制度を作る」こと以外の何物でもありません。

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