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令和に入った、2019年 対馬最新事情

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名前と場所くらいは正確に知ってほしい。対馬はどこだ?

まずはこの写真をご覧ください。対馬の北にある「韓国展望台」から釜山の広安里を撮影した写真です。手前は海栗島(うにじま)の航空自衛隊の基地です。

鰐浦の韓国展望台から撮影した釜山の花火大会の様子 手前は航空自衛隊のレーダー基地

釜山から直線距離でおよそ40km。対岸がお互いに見える国境の島が対馬(つしま)です。よく津島などと誤記載する方がいますが、対馬とは、朝鮮半島から沖に見える島が2頭の馬に見えることから対馬と名付けられています。韓国語では対馬島(テマド)と呼びます。この距離感のリアル、理解できますか?これが対馬なのです。

徹底解剖 対馬とは 一体どんな場所なのだろうか?

対馬とはどんな場所なのか??何が話題なのか?

まずは地図を見て位置関係を確認してください。真ん中の長細い島が対馬です。

【対馬ざっくりデータ】

  • 広さ:東京23区とほぼ同じ 沖縄本島>佐渡島>奄美大島>対馬
  • 南北:直線でほぼ100km 車で移動するなら2時間は覚悟 ほぼ山道とトンネル
  • 海岸:97%がリアス式海岸の断崖絶壁 3%が砂浜(海岸線一周は、なんと1,000km!)
  • 人口:3万人(うち65歳以上のお年寄りが1万人も また自衛隊員が多数在住)
  • 距離:福岡からですら140km離れています 釜山からは40kmと近い でも長崎県

という有人国境離島ですが、この島へ2018年に訪問した韓国人客は40万人。来訪者は全員釜山から船舶でやってきます。渡航費用は1泊2日であっても13,000円~ 程度で販売されています。

韓国人来訪者数は、ずっと右肩上がりで26万(2016年)→36万(2017年)→40万(2018年)と増え続けています。他方で日本人の旅客は非常に少なく、差は広がる一方です。

対馬を訪問する韓国人はなぜ増え続けるのか?

韓国第二の都市、釜山とその周辺には500万人の人口を抱えており、日頃から繁華街もにぎわう一大都市です。そのすぐ近所にはテグ、ウルサンなどの産業都市もあり、周辺地域を含めれば1,000万人近い人口を抱えています。集積都市に住む彼らが求めるレジャーってどこで何をするのか?釜山やウルサン、浦項などの都市からは周辺の小島へ周遊する船は出ています。しかしながら、そこに行くメリットが無いのです。なぜなら、そこは「単なる田舎」でしかないから。その田舎にあるもののほとんどは、釜山にもテグにも存在するのです。であれば、行く意味がないわけです。

ところが釜山の対岸に目をやると、そこに浮かぶ対馬。そこは対馬である「前に」日本なのです。日本には韓国にないもの、釜山にないものが山のように存在します。毎年来訪する韓国人は自分の街にないものを求めて対馬を訪問しています。理由はとてもシンプルなのです。

少しのお金さえ出して、高速船に乗れば、そこは日本。1時間で到着です。おいしい生ビールを安く飲めます。大好きなサントリーほろよいは、韓国だと1本

3,000ウォンですが、対馬なら150円以下で買えます。そりゃ箱買いしますよね。

週末の都度、気軽かつ手軽に行ける海外旅行があるならば、それが生活の一部に浸透することは、きわめて自然な出来事です。これを何か否定する理由はあるのでしょうか?ちなみにこれらの経済効果を通じて、1年あたりに対馬にはおよそ40億円の外貨が落ちています。

対馬は、韓国人にのっとられてしまうのか?

すると、一部の人は声高に「乗っ取られる」と言います。乗っ取るの定義がそもそもよく分からないのですが、感情的に人数が増えることを恐れているケースと、具体的に何らかの資産が韓国人の所有となることを危惧するケースとに分かれるような傾向を見ています。来訪人数は増えます。2019年はひょっとすると50万人を超えるかもしれません。理由は明確です。宿泊施設が新たにできるからです。

もうすぐ対馬に2棟目の東横インが完成します。立地が非常によく、日本 渚100選 に選ばれた上対馬の西泊海水浴場の前。

韓国国内にもこのようなきれいないビーチはそうそうありません。1年を通じて西泊には多くの韓国人観光客が来ては、こぞってインスタアップを競っております。

いつ行っても、楽しそうにしており、心の底から歓迎したくなるほど、微笑ましい光景を見ることができます。この一連の様子を見て「のっとられる」などという発言が生まれること自体、意味不明です。単なる先入観と偏見がそのような発言をさせていると考えます。

一方で。
「具体的に何らかの資産が韓国人の所有となることを危惧するケース」←これは理解できますし、事実存在します。なぜか。

ひとえに理由はここです。島外流出人口の増加と過疎化に起因します。ここで大切なのは現地で商売をしている方の高齢化事業承継先の不存在が挙げられます。昨今は、外国人による土地・建物などの不動産のみの取得をするケースは法令・条例等による規制や資金調達の規制、周囲の目による警戒など、さまざまなハードルを日本側が設ける傾向があるため、実施に至らぬケースも多いのですが、「事業売却」「事業承継」であると、当該事業または企業に紐づく土地・建物をはじめとする貸借対照表上に記載された資産がすべてそっくり承継されることが普通です。ここを「乗っ取られる」と表現する人がいます。

が、実際のところ、被相続人である島内の高齢者や高齢の経営者たちが、本来の相続人である子々孫々と話をしたところで、島に戻らない、または島で商売をしたくない、という答えが出てしまった場合いったい誰が本事業の承継をしたり、資産売却の買い手に応じるのでしょうか? という、過疎化対策の問題と大きく紐づいているのです。平たく言えば「乗っ取られる」という危惧を言う人は、島内事業を買ってください。それで解決です。

 

もっと国境へ関心を持ってほしい。日本人は国境に無関心で鈍感すぎる。

対馬を語る人の多くは、対馬まで来たこともなければ、対馬の物産を買ったことすらない人ばかりです。無責任な人間が放談のネタの1つに使って、韓国をディスっているとしか思えないケースが大変多く感じます。もともと対馬に血筋がある筆者としては、斯様な無関心と無責任発言の連鎖が、今の対馬を生み出していると考えてます。

対馬で友好的なご商売をされる「食事処 和(かず)」

地元の皆さんはとても熱心で、毎日真剣に商売をされています。どうすれば友好的にかつ継続的に韓国の旅行客との関係を構築でき、満足度を高められるのか?を真剣に考えています。この状態を日々見据え、課題を解決しながら、増える旅行客の応対をされている姿を目の当たりにして、「乗っ取られる」とか「入国させるな」などと無責任な発言ができる人がどの程度いらっしゃるのでしょうか?

いろいろ意見を言いたい方は、まず対馬を訪問し、宿泊をし、関心を持ち、対馬の地元の方と語り合って、そのうえで意見を言ってください。その先の意見には耳を貸すことはあると思います。でもその先の行動が最も大事です。40万人以上が来訪して遊んで帰ってくれる韓国人に勝るとも劣らない行動が求められています。対馬にはビジネスチャンスも多く存在します。その具体的な面白さを知りたい人は、ぜひご連絡ください。

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