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韓国で日本食のパクリが多いと聞いた時に読むブログ

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背景は訪日経験者増加に伴うエンドユーザニーズ

出張で私たちは韓国を訪問する機会が少なからずあります。ソウルや釜山の繁華街を歩くと、必ずといっていいほど目にするのが「日本語」です。それもかつて明洞を歩いていた日本人旅行客を対象とした日本語POPではありません。「日本食居酒屋」や「日本風カフェ」の店舗デザインの一環として看板や内装に「それっぽい雰囲気」が掲示されているのです。ネイティブの日本人からすると、半分嬉しく、半分違和感。。。という代物が街のあちこちに点在しています。

そもそも日本食はなぜ韓国でパクられるのか?

たった1つの理由。それは「儲かるから」

 

そんな彼ら。気づけば雨後の筍のように増えてきた日本風○○(食)。なぜ増えたのか?
わかりやすいたった1つの理由。それは「儲かるから」です。なぜ儲かるのか?日本食は絶大な人気があるためです。つまり地元の飲食店経営者から見ると、韓国料理を経営するよりも付加価値があるという判断に基づきます。

 

訪日リピーターから多い質問「日本で何が流行ってる?」

2017年で700万人の訪日客を数えた韓国。韓国から日本を訪問するリピーターは全体の7~8割と言われています。延べ人数を割り引いて、かつ過去5年~7年で代わる代わる客が来ているとすれば、総じて人口の2割以上が確実に日本のどこかに足を踏み入れ、日本食を食べ、日本のサービスを体験して帰った経験があることがうかがえます。

 

日本酒の輸出売上に関するランキングを見ると、総量はアメリカに次いで世界第二位、金額ベースでは香港に次いで世界第三位。酒業界関連の方に聞くと「韓国市場は購入単価が安いので魅力がない」という声をよく聞きますが、日本だって飲食チェーン店のOEM赤ワインや、チリ、オーストラリアなどのテーブルワイン、さらにはボージョレ・ヌーボーなどの際物ワインが売れる現状があることを見て、あえて換言すれば、「日本酒文化が、韓国の一般庶民感覚にまで、浸透した」とも表現できます。

 

彼ら・彼女らが、一様に日本食をこよなく支持しているからこそ、韓国国内に斯様な現象が継続して起きているのです。私は1日本企業の経営者として、日本の皆さんに提案したいのは「歓迎し、活用すべき」ということです。ただしそのためには、取捨選択と韓国の飲食業者のニーズやウォンツを把握することが重要であると考えます。

ベンチマーキングと言われる完コピ現象

他方で、これらのニーズを上手に組み込むために、地元韓国の飲食業経営者たちも非常に研究熱心です。連日満席となる居酒屋を経営する一方で、全従業員を一堂に会して3日程度休業し、研修と研究目的で日本にやってきます。よく来るのは大阪か福岡。そこで訪日韓国人たちが書いたブログなどを参考に、新しく話題になった店舗や商品を求めて、みんなで食べ歩きをするのです。

日本に行き来している韓国人の若者の深層心理を伺えば、「自国でも日本の『あの味』が食べたい」「『あの雰囲気』を味合わせたい」と思うのは、ごく普通の感覚ではないかと思います。

 

 

私たちが、韓国の居酒屋などを複数経営している経営陣と実際に何度も接触したうえで、真剣に感じたことがあります。それは「真剣にパクっている」ということです。つまり「名前や見た目だけでテキトーにパクる」のではなく、「日本に何度も訪問している韓国人客をうならせるレベルでの研究をしたうえで商品提供をしたい」という熱意を感じました。これを韓国では「ベンチマーキング」といいます。

 

ベンチマーキングの仕組み「炊き餃子」の例

日本食のベンチマーキングを前提に来ている韓国の飲食店経営陣は、むしろ日本文化の販売。。。すなわち輸出やインバウンド事業の味方であると私たちは感じています。要はこれらの真剣な経営者と、超テキトーなパクリをする韓国人経営者(とすら言えぬ一部の個人事業者)が韓国国内に混在しているから、日本側の自治体や企業も「韓国は我が国の食文化を単にパクられている状況がある」などと市場を捉え、混乱をするわけです。では、まじめな方々が何をどうしているかをお伝えします。

2013年当時、ラーメンスープをOEM製造する前の試食会の様子

 

接した経営陣は、よりおいしいラーメンスープを作りたいということで、わざわざ日本に何度も足を運んで、現在もOEMでラーメンスープを日本で製造し、韓国まで輸入させて、エンドユーザに提供をしています。試食から輸出実行まで実に1年近くをかけて実現をさせたほどです。調理の能力や味覚も日本人以上に鋭敏で、その研究熱心さには敬意以外に感じるものがありません。

ある日、彼らはまたベンチマーキングの研究で福岡に来ました。そのときに目に留まったのが「炊き餃子」です。

福岡に来訪し2件目に訪れた某店舗にて、試食とともに会食をしました。「どう作っているのか?」を尋ねられ、とんこつラーメンのスープと餃子による提供であることを告げました・・・すると。「以前作ったとんこつラーメンの稼働が増えるね。水餃子は既にあるから、やってみようかなあ。。」と。

 

3か月後に、その経営者が経営する韓国の居酒屋に行くと「福岡名物 炊き餃子」ですでにメニュー化されていました。このスピード感とクオリティの維持する力が、彼らの強みなのだなぁと感じた次第です。

 

天神ホルモンの完コピ店 大邱の「福岡ホルモン」

 

おそらく今後も韓国で日本食の人気は高まる一方でしょう。そしてまじめな研究者たちも増える他方で、どうしようもないテキトーなパクリ屋も横行することでしょう。日本企業や自治体側がこれらの現象をどうとらえるか?すなわち日本企業や自治体の「味方となってくれる真面目な企業・経営者」だけを選別することが、今後重要になってきます。そうでないと、自社商品や自分たちの地域のブランド価値すら左右しかねないからです。マーケットはより複雑になります。そして韓国にはエンドユーザだけでなく、日本の食文化を伝導させる供給者も存在していることを忘れてはいけません。まとめて彼らをどうハンドリングするのか?この戦略をいま構築することが、5年後の未来を盤石にできるかどうか?の根拠になることは、想像に難くないと思います。さて、どうしますか?

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