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韓国への情報発信で炎上が起きる背景と、未然に防ぐセオリー

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またもや起こってしまった韓国での放射能問題に関する炎上案件

先週2019年6月4日に韓国で新聞記事に現れ、6日に日本で朝日・毎日などの新聞に掲載をされました「韓国の青森ロケ番組、ネットで炎上 水産物禁輸が背景か」という記事に気づいた方も多かったと思います。日本側からすると、原発事故のあった2011年から8年が経過した今も斯様な反応があちこちで起こることに違和感や疑問を持つ方もいると思います。議論されたり、相手国のマスメディアが伝えるニュースには事実だけではなく、誇張・虚偽などが玉石混交になっていることで、我が国の様々な産業において経済的不利益を被るに至ったケースも少なくありません。WTOでの敗訴もその1つの結果と言えます。

科学的根拠に基づかず先入観や偏見に基づいた一方的なバッシングやキャンペーン風評と定義するならば、今後も福島原発事故に関連する風評の流布は、韓国では残るし、続くと思われます。しかし他方で減らすことはできます。このブログでは、これらの風評が起こる背景と未然に防ぐための情報の発信方法を、特に福島原発事故とこれに連動する放射能の風評払拭に関して具体的に検証します。

韓国には風評拡散やネガティブバッシングを起こす人が必ず存在する

まず原発事故が起こった直後、韓国人が取った行動を検証する

アジアフューチャー株式会社では、2011年4月15日~17日(原発事故の1か月後)にソウル市内で一般市民720名を対象に対面式のアンケートを実施しています。日本ではCMなどの大自粛時期、韓国では日本沈没などとメディアが騒ぎ立てていた、まさに最も逆風激しい時期の貴重な数値です。義援金への参加可否など日本への関心度と情報発信へのかかわり度合いなどを詳細に調べました。下記のクロス集計は(震災・原発事故発生から1か月後にも関わらず)日本に渡航したいと言った人」「義援金に参加した人」「行きたくもないし、義援金にも協力しない人」などのさまざまな属性とのクロス集計を載せています(かなり貴重な情報です)。これらの質問を設計してアンケートを実施した際の当社が持っていた、なんとなくの仮説は「日本を嫌う人の一部は、web上でネガティブバッシングをしているのだろう」というものでした。が、実態は異なりました

 

Q.東日本大震災・福島原発事故に関して、自ら情報を発信しましたか?

  • 東日本大震災・福島原発事故に関してそもそもネット上に情報発信をした人が極めて少ない
  • 義援金へ協力をしていない人は「嫌い」というより「そもそも日本に関心が無い」
  • 義援金協力者や日本への渡航希望者は知人と大きく話題に上げた。でも拡散はしていない

では、原発事故に関して、ナーバスな方々が、どうしてもそこまで神経質になるのか?を属性を通じて背景を探るとどうなるか?もう一つ別の質問のクロス集計から考察してみます。

日本に知人がいるほど情報の収集能力高、判断も冷静。壮年層は収集力・発信力とも低

Q.なぜ、東日本大震災に関する出来事(原発問題・災害について)気になるのですか?

当然のことですが、震災から派生した心配事とは、原発事故の影響、特に自国へのさまざまな影響(特に放射能)が関心ごとだと言えます。

  • 年齢が高いほど、原発事故の影響への心配の度合いが高い(2011年調査なので、2019年現在は40歳以上の年齢層
  • 家族に子どもがいる人ほど、原発事故の影響への心配の度合いが高い
  • 被災したエリア名に詳しい人(福島・宮城・岩手などの県名を熟知)ほど、原発事故の影響への心配の度合いが高い
  • 調査当時、日本商品を買いたくない、日本へ行きたくない、と言った人ほど、原発事故の影響への心配の度合いが高い

この当時の調査結果を紐解くと、韓国国内にはざっくり 日本への関心が高い人日本への関心が低い人 に市場がはっきり分けられることが浮き彫りになりました。日本への関心度とは、現在の大韓民国においては年齢層ではっきりと違いが出る傾向があります。ざっきる言えば若い人ほど日本への関心度が高く、壮年層ほど無関心な人が多いと言えます。

 

韓国人の年齢構成・日本への関心度に基づいた個々人の属性プロット図

日本と似ていますが、主に第三象限にプロットされる層は「メディアリテラシーが乏しい」テレビが好き、ニュース等に踊らされやすい、「インターネットリテラシーが低い」自分で情報収集をする能力が低い、店舗やメディアで商品を購入する、という傾向があります。年齢層も高く、結果的に日本への関心度が低いので、何かちょっとした心配事を「あおられる」と、自分自身の中で情報確認手段がなく、代替解決策も持ち合わせていないので、すぐに不安に陥る傾向があると言えます。

 

韓国には風評拡散やネガティブバッシングを起こす人は、必ず存在する

では、特に日本の原発事故やその後に派生する風評をあおって、ネガティブバッシングするのは一体誰なのでしょうか?これまた日本と同じくWEBやSNS上における極めて少数の人間が声高にクレームを発したり、ネガティブバッシングをしたりすることは、ネット炎上の研究(田中辰雄・山口真一著)(勁草書房)によると、日本ではインターネット参加者のおよそ0.5%が炎上させる書き込みなどを展開するといわれています。これは大韓民国においてもほぼ変わらないと推定できます。しかしながら日本以上に異なるポイントは「火付け役が誰か?」です。日本産農産品・水産品の韓国輸入への制限を推奨しようとしていたのは「市民団体」と呼ばれる左派団体です。韓国の左派団体のバックには当然、大韓民国の本来の右派政権を打破しようとする、そのもうひとつ隣の国の存在が挙げられます。故に積極的にバッシングを「利用」して日本⇔韓国の経済活動を妨害する意図を積極的に持っている者が少なからず韓国国内に存在していることを、私たちは意識しておかないといけません。

すると、次にマーケティング上において、活動をする「前に」考えなければならないことがあります。それは、いわれなき放射能汚染の風評などを積極的にあおる者たちが、ターゲットにしている「あおられる」層・「影響を受けやすい」層を対象としたマーケティングを行ってはいけないということです。冒頭に挙げた「韓国の青森ロケ番組、ネットで炎上 水産物禁輸が背景か」なんてことが起こってしまったのは、まさにこの罠にはまった大失敗の典型です。WTOでの韓国勝訴がニュースとなり、日本の水産品へ否定的な者が、私たちの国の商品をバッシングするには絶好の機会となりました。日本を好む層、日本の情報を自分で取れる層に対して、インターネットでバッシングをしてもあまり効果がありません。韓国の地上波番組で芸能人が出る番組を視聴する人には、「メディアリテラシーが乏しい」=テレビが好き、ニュース等に踊らされやすい、「インターネットリテラシーが低い」=自分で情報収集をする能力が低い、店舗やメディアで商品を購入するが複数存在するわけです。したがって左派政治団体や、市民団体からすれば「渡りに船」「思うつぼ」のコンテンツが、絶好の対象者あてに世に出たから、炎上工作に出た、、、だから炎上してしまった、、、、というわけです。

おそらく自治体の予算で、この番組を招聘をしたのでしょうが、これらのコンテンツはもう使えることもないでしょう。自治体で風評払拭を目的として実施するプロモーション施策において最大の愚策は「炎上にさらされる」ことと「炎上されたことを受けて、コンテンツを消去すること」です。数千万単位の税金をドブに捨てるようなものですので。。。

放射能問題に対峙する策は、ジワジワと肯定的情報を増やし続けること

単年度予算で、単年度の手柄を取ろうとする人が多いから、公的機関の施策は一般的に飛び道具的な策ばかりを取ろうとしますが、人々の心の闇を消していくための風評払拭対策は、少なく見積もっても4年~8年続ける必要があるほど地道な作業の繰り返し以外方法がないものです。そこでヒントになることが、前述の「なぜ、東日本大震災に関する出来事(原発問題・災害について)気になるのですか?」のクロス集計内に存在します。

  • 義援金協力者・日本への渡航希望者、日本商品購入希望者ほど、日本を心配し、知人が既に日本に存在する

ここです。
2011年4月(復唱しますが、あの原発事故のわずか1か月後です)の段階で「日本へ行きたい」「日本の商品を買いたい」と言ってくれた層は、最大の味方です。この属性に当てはまる顧客層と密接な関係を作り上げることです。なぜならば、その層は訪日渡航におけるリピーターであることが推測できるからです。しかもそれらのリピーターは自身で情報を収集し、現地で体験し、他社へ伝えるまでの能力を備えているからです。この先駆的顧客層か否かを分析する「パレートの法則(80:20の法則)(経済において全体の数値の大部分は全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという理論であり、80:20の法則、ばらつきの法則とも呼ばれます。)」で、説明することができます。

訪日韓国人の属性をパレートの法則に当てはめる(大韓民国の人口は約5,000万人)

「日本へ行きたい」「日本の商品を買いたい」と言ってくれた層は、この図で言う「イノベーター+アーリーアダプター」なのです。向かって左の20%を狙ったマーケティング活動をするのは、すべての商品・サービスの販売計画を立てる場合における、セオリー中のセオリーです。すなわち全体の売上を伸ばすには、全顧客対象のサービスではなく、2割の顧客に絞ったサービスを行った方が良いのです。

では、この「イノベーター+アーリーアダプター」である、「日本へ行きたい」「日本の商品を買いたい」と言ってくれた層へ単に依存すればいいのでしょうか?これらの風評払拭という意味では、答えはNOです。もうひと手間必要です。すなわち、初動は「「日本へ行きたい」「日本の商品を買いたい」と言ってくれた層」に最も接触できる「日本人・日本の情報発信媒体・日本国内の拠点」を活用したマーケティング活動を、まずは実行することです。

 

まちがってはいけないのは「日本へ行きたい」「日本の商品を買いたい」と言ってくれた層に、いきなり風評払拭を丸投げすることだけは、絶対に行ってはいけません。なぜならば、それをすると折角の協力体制にあった「「日本へ行きたい」「日本の商品を買いたい」と言ってくれた層が左派政治団体や、市民団体の炎上攻撃にさらされてしまうからです。その犠牲を彼らに強いてはいけません。矢面は日本側でなければならないのです。矢面にある場に、払拭をした情報を提供し続け、その情報へ「日本へ行きたい」「日本の商品を買いたい」と言ってくれた層」が常時触れられる状態を作り上げるところまでが初動だろうと考えます。

根気が必要な話で、道のりは長いですが、手法の解析はできています。継続的な活動の積み重ね以外に、大きな結果を出すことはできないと考えています。

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