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不買運動が起こる最中に既にジワジワ起きていること

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日韓のメディアにはそれぞれ、この写真のようにあたかもソウルをはじめとする韓国市民のほとんどが不買運動に「実際に」参加しているかのような報道が連日為されております。韓国人は瞬間湯沸かし器のようにカッとなって、二度と日本の商品やサービスを買わなくなる。日本で接客しても嫌がらせをされる。などと感じている方も多いかと思います。それこそ韓国と日本のメディアにあなたが踊らされている可能性が極めて高いと言えます。現状において、正確な情報を集め、同時に起こっている異なる事象をとらえておく必要があります。

不買運動がメディアで叫ばれ続ける理由は?

7月31日の韓国 中央日報に「反日運動 総選挙に有利」与党シンクタンク 民主 レポート波紋」という記事が載りました。これに対して現韓国の野党(保守派)が「反日感情を作って総選挙の「材料」として活用する民主党」と大きく非難するに至っております。

 

韓国国内の経済事情がどうなろうと、政権の維持や党派のシェア拡大を第一に考え、メディアを使ってそれをあおる。。。特に韓国人の一般市民は「世論」とうそぶかれる「空気」の目をとても気にします。日本の商品が好きでも、好きと言わせない「空気」が世の中を動かそうとします。
そうしますと、このソウルに出ている韓国人の経営する屋台のたこ焼き屋さん(たぶんオタフクソース使っています)のように、もはや「自分がいま何に反対をしているのか?」すら分からない様相の方々まで現れるわけです。不買運動とはすなわちこのような「政治的混乱」の可視化と捉えてよいと思います。

不買運動のニュースが起こる今、経済事情の転機が

気づいていました?為替が微妙に動き始めています

一方で、マーケットは日韓関係の動きにドライです。輸出管理がグループAからグループBに落ちただけで騒ぐ意味を理解できないからです(シンガポールや台湾はグループCです)。このような世論操作で、ユニクロが物流を止められるような実態があれば「韓国への投資のリスク」が向上することにもなりかねません。

 

そこにきて、トランプ大統領の圧力を受けてか知らずか、FRBが金利を下げました。これによりドル安が進み相対的に円高が進むものと思われます。そしてこれらの動きを受け、夏前あたりからじわじわと、為替が円高ウォン安へ進んでいます。

上記は、過去16年間の日韓為替レートです。ウォンはボラティリティの高い通貨です。このところある程度の安定性は見受けられるものの、ひょんなことで大きな変動があることも特徴と言えます。

2003年~ 今日までの訪日韓国人の推移を検証します

実は、訪日韓国人の来訪客数とは、この為替との相関が最も高いと言われております。

詳しい検証⇒高速船「ビートル」“失速” と為替の相関関係検証を見る

確かに過去からの数値を年ベースで振り返ると、韓国→日本の来訪者数は一気に伸び、高止まりしている感じを受けます。

現在は750万人レベルに達しており、250万人の域だった2012年までと比較して3倍に伸びたと言えます。2018年は日本⇒韓国のアウトバウンドが250万人となり、双方向で1,000万人を超す一大旅客市場へと成長しました。

ただし、この年ベースの折れ線グラフはかなり雑駁な見方しかできません。そこで月次での数値を過去16年で検証をすると、以下のように推移しています。

増減におけるおおきな転機(きっかけ)は過去に4回ありました。そのうち3回は為替が絡むものです。来訪者の減少へ大きな影響をもたらしたのは、①リーマンショック(2008年9月) ②黒田総裁のマイナス金利発表(2016年1月)。いずれも一気に円高ウォン安に動いたときでした。ある意味当たり前ですが訪日韓国人は、まずもって「目の前の損得で」動きます。それ以外で顕著な動きとなった傾向は過去には見受けられません。

為替と密接な相関関係を持つ、訪日韓国人の傾向

この2つの事象を検証するにあたって、別の意味で注目すべきは2012年です。2012年には李明博大統領が竹島へ上陸し、日韓関係が今と似た状態になったこと、もう覚えていないでしょうか? 他方で、2012年12月には安倍政権が成立し、翌年から一気に円安基調へ進んでいきました。

そして、政治的な問題に火がついているものの、そしていま韓国国内で糾弾しろと叫ばれる安倍首相が政権に就いたこの時期、結果的には為替が円安ウォン高基調へと触れ、2016年の一時的ショックはあったものの、250万人パイの韓国人客が3倍にまで増えたのです。(韓国国民にも多大なメリットがあったのだから、糾弾どころか感謝してほしいですね)

 

それとともに2011年の原発事故の払しょくが相当数できたものと思われます。この過去の数値に、ほぼ答えがあるわけです。

2019年秋・冬 で、いまから日本企業は何をすべきなのか?

 

さて、ここまでを総括すると、今から日本企業が何をなすべきか、ある程度方向性が見えます。まず来訪する韓国人の傾向は少し変わります。□をネガティブ要因、○をポジティブ要因とします。

□為替の影響で来訪が減る、または消費額の減少が考えられる
□「空気」が怖いので来訪しても「情報発信をしなくなる」
○LCCなどの稼働を上げるために渡航費用の安売りが始まる

 

この3つをとらえると、今から取るべき対策は以下の4つと考えます

■安売りを止めて高い単価に変えて、顧客のセグメントを行う(低価格の客に媚びない)
■為替の影響があっても安値に見える日本製品をプッシュする(典型は酒類)
■自社(日本側発)の情報発信を大きく行う(ブロガーやインフルエンサーは当面利用不能)
●LCCの増便、廉価販売が行われそうな人気都市に、集中特化する
└ 日本の都市では10か所程度

自分の町は?自分の店は?自分の商品は? どのような戦略を採ればいいのか?分からない方は、
個別にご相談ください。

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