放送局裏話

ラジオは何故面白くないのか?(16)

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9月になりました。
世の中は、ただ単に月が変わっただけですが、日ごろの生活では
大きな変化があります。

ちょっと考えればわかりますが、学校が始業式を迎えます。
もちろん最近は9月1日に並びで始業式という感じでなくなりつつ
ありますが、大勢はそうだと断言してよいかと思います。
自分の勤めるラジオ局の話ではありませんが、福岡の某局は
長年、朝の番組の朝7時~8時にかけて、ずーっと言い続けられている
コメントがあります。

「今、子どもたちが通学しています。」
この言葉で、ドライバーの運転への注意を促しているのです。
これって本当にすばらしいことだと思います。

運転しているドライバーの状況のみならず、周囲の状況も鑑みて
起こりうるリスクを先回りして伝えることで、様々な事故を未然に防ぐばかりか
聞いている人、一人ひとりに思いやりのある行動を、イヤミなく促しているのです。
この女性パーソナリティの優しい言葉を聴いていると
ラジオの特性を、本当に理解した利発なパーソナリティだなぁと
日々感動を覚えます。

ただ、残念ながらこういう例は極めて稀。ほとんどのラジオ局のパーソナリティは
AM・FMを問わず、すぐにこの台詞を口にします。
恐らく聞いたことが何度もあるはず。。。。。

「みなさん、安全運転で!」
マジで運転している人だったら、わかるはず。
イライラしながら運転しているときに、この台詞を聞いて
本当にスピードを落として慎重な運転をしようと思いますか?
それで行えるなら、あなたは本当に応用力がある人だと伺います。

ほとんどの人が、無視…というか、わけわからず聞き飛ばすと思います。
そして、別の一部の人が「じゃかーしぃ!!(怒)」と、突っ込むはず。
昔から思うのですが、この「安全運転で」という一言は、
注意を促す側の自己満足であり、言い訳(エクスキューズ)でしかないのです。
つまり、「言ったぞ!」というアリバイですね。

雨の日、混んでいる日、朝、夕方、自分の気持ちに余裕がないとき…
注意すべきことは全く異なるはずです。そういうときにピンポイントに響く
一言で注意を促すのがプロのパーソナリティです。
「聴取状況」つまり聞いている側の状況を想像し、そこに当てはまる
具体的な注意をわかりやすく、かつ優しく、リスナーであるドライバーに伝える
ということが非常に重要なのです。これも顧客満足のひとつです。
「安全運転」なんざ、ドライバーの至上命題であり、常識です。

常識をイチイチ言われるとムカつくだけです。
進行表に書いてあるから、とりあえず言っておけ・・という態度。
こういうさりげない…でもとってもイヤーキャッチになる状況で配慮のない
台詞を放送に載せる考えナシなパーソナリティやディレクターが
はびこるから、ラジオはますます面白くなくなるのです。
ラジオ制作者は、もっと真剣に考えて毎日の放送に臨んで欲しいものです。
だから、ラジオは面白くない。

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