放送局裏話

ラジオは何故面白くないのか?(17)

  • LINEで送る

先日、とあるブログを偶然見たのだが、僕が記載する
「ラジオは何故面白くないのか?」の過去16本のスクリプトのリンクを
一堂に集めたブログがあった。ありがたい話です。
別に誰かに頼まれたわけでもなく、ただ失われていくスキルやノウハウを
とりあえずどこかに書き留めておかねば…と、単なる備忘記録のつもりで
書き始めたのに、気づいたら結構な量になってしまった。

さて。
仕事柄、現場についていくことがたまにある。
リポーターは、「私のリポートどうなんでしょうか?」とたまに聞いてくる。

面倒くさいので「いいっちゃない?!」と言う。
「本当ですか?」としつこいので
「もちろんよ!」とさらにウソを付く。
「聞かないとわからんのか?」と心で突っ込みながら。。。。

ある日。
偶然ラジオリポートのその場に、僕が昔一緒に仕事をしたディレクターもいた。
で、同じことをリポーターは聞いてきた。 「どうでしたか?」と。
その会話にディレクターが割り込む。

「本気で聞きようとね?」と。
「はい!」
「あんた、この人ねぇ、お前レベルのリポートに満足してるわけねーだろ!」
「…」

「3時間説教されるぞ。耐えられるか?」

会話が止まった。。。あーあ。 その日は、そのリポーターが目を合わせることもなく、
後日に至っては、当然「どうでしたか?」なんちゅうことも聞いてこない。
まぁ当たり前。
そもそもラジオにおけるリポートとは、「客観的事実」と、目の前で起こりうる状況の「主観的表現」とを
上手に織り交ぜ、言葉と音声でリアルタイムの場を描写する高度なコンテンツだ。
ただ、ほとんどのリポートは「原稿を書き」「読む」だけ。
あほか?と毎度呆れる。 同時に頭の悪さに冷笑が毎度出る。
誰がこのリポートを聞いているのか?誰がこのリポートで頭上にイメージを沸かせて
いるのか?皆無だろうな。
3時間説教…ってウソみたいな話ですが。。。確かに昔そんなこともあったなぁ~と
僕は逆にそのディレクターがいきり立って話した台詞を懐かしんでしまった。
で、リポートは何が重要なのか?別にそんな難しい話じゃない。

 

前述の「客観」と「主観」。超簡単だ。
客観とは即ち万人が疑わぬ情報。早い話が「5W1H」のこと。
加えて、数字で表せる情報だな。
簡単なところでは「温度」なんかは典型的な客観情報。25℃です。みたいな。
一方で「主観」とは人によって表現はマチマチだが、客観的事実より
かえってわかりやすい表現手法であり、ここが実はリポートの腕の見せ所。
「温度」で言うならば、「きのうより、少し汗ばむ陽気」とか「ストールが欲しい涼しさ」
なんて感じの表現。デブに言わせりゃ「暑い」し、冷え性のねーちゃんに言わせりゃ
「バリ寒」な感覚かもしれんが、言っているおねぇさんの声がなんとなく
「健康そうな」女性っぽいイメージがあれば、自分にとってどんな日か、なんかなしわかる。

つまり五感で感じたものを、そのまま素直に言葉に表現できることが
リポーターの資質であり、そういう表現方法を導くのがディレクターの務め。
まぁしゃべり手も作り手も、そのあたりを全く理解してないので、
トンチンカンな表現が出まくり、結果リスクをしょいたくないため予定原稿を書いて読む。
ひどい話だ。つまらない情報を聞かされて、リスナーが離れるのも頷ける。
頼むから、もっと勉強してくれ。特にディレクターたち。で、もっと素直に学ぼうとして欲しい。
自分たちの問題が何かを日々反省しながら。。。
だから、ラジオは面白くない。

  • LINEで送る

コメント

  1. ハラシバ より:

    よく拝見しております。この件に関して私も思うことがありまして・・・
    特にリポーター。ラジオ(メディア)に出る前に社会を勉強して欲しい。
    ディレクター陣はもちろん、リスナーもそう思っているのでは?
    最近の子は、最低限言われた事をするのみ(この部分も怪しいが)で自分から学ぼうとしない。
    リポートを聴いていると会話さえ出来きていないのが多く、普段どうやって生きているの?と思います。
    リポートというコトバに緊張しているのでしょうか。たまたま、マイクを持って喋っているだけなのに(笑)
    外部の人間が多くなり、この人達は自分のことで精一杯。制作社員も、嫌われたくないのか、
    自分の仕事に関心が無いだけなのかなんなのか分かりませんが、局としてリポーター教育をしているとは
    決して思えない。
    リポーターと呼ばれてメディアに出てくる以上、スポンサーやリスナーはその人をひとりのプロと認識しており、
    「若いから、経験が少ないから」なんていうしょうもない理由なんて知る由もありません。
    私はラジオが好きです。
    お願いですから、恥の垂れ流しだけはやめて欲しい。そこの局の価値どころか、ラジオの価値が下がっています。
    特にリポーターと冒頭に記しましたが、パーソナリティ、ディレクターにも言えることです。
    ラジオが危ないと言われている昨今、ここまでラジオの価値を下げているのは誰なのか・・・早く気付いて欲しい。

  2. ippei より:

    ハラシバさま
    ありがとうございます。
    このような言葉は業界の自己反省に最も重要な材料です。
    どうしても僕だけが唱えたところで、ひとり相撲の感があるだけに
    とても励みになります。
    さらに考えていかねばならないことを
    あぶりだし続けて、このコラムを書き続けますね。

コメントを残す

*