以前、情報のディバイドの話をこのブログ内で書いた。
ウェブ進化論を読んだ後の話での下りである。
で、最近この「情報のディバイド」というものが「情報の二極化」になっているような気がしてならない。
「ディバイド」と「二極化」というのは似つかわしくも概念が若干異なるものと僕は思う。
ディバイドは一人ひとりにおいて、相対的な差が生まれてきている状態を表すと
思うのだが、二極化は、とどのつまり完全にゾーンが2箇所になった ということを
表現していると考えます。
先日、とあるところで例のごとくポッドキャスティングの話になった。
相手はある報道記者。内容をいろいろと話した挙句、彼が一言述べたのは…
「小さい世界だな、まだまだ。」と、ニュースバリューを否定した。
「?」と直感的に感じた。
そもそも論ですが、まずその記者はポッドキャスティングの世界を知らなかった。
当然のことながらブログの世界もよく知らない。
まぁせいぜい、「WEB上で日記書いてんでしょ?」程度の認識。
それぞれの普及率など知るわけもなく、知ろうともしないわけで。
この話と同時並行で、最近巷で耳にするのは
「マスメディア情報の陳腐化、取材方法やリサーチの質の低下」という話題。
新聞記者・雑誌記者・テレビラジオの報道記者やディレクターなど、すべてが当てはまります。
つまり取材する側が、先駆的な情報に興味がない。
とりわけITに関しては、放送や新聞の敵と思っているからかどうかは知らないけど、
無関心を決め込んでいる。そして上記の彼と同様に「小さい世界」とのたまう。
彼らの言うところの「小さい世界」を駆使する人間は、ではなぜWEBで情報を得るのか?
理由は簡単で、マスメディアの伝える情報に疑いを持つからです。
つまり自分自身が調べるプライマリーデータが最も価値がある。
もっと言えば、自分自身の持つ人脈がもたらす様々な情報やナレッジこそ、
最も頼りになり最も信頼ができるわけなのですよね。
そのポテンシャルニーズがブログを生み、SNSを生んでいる…。
まさに今の時代を象徴しています。
まさにこのシステムが単に音声化したのがポッドキャスティングです。
ムーブメントを評価するのに重要なのは、母数もさることながら伸び率も重要。
つまりわずか○年とか○ヶ月とかで数字が何倍に増えたのか?という伸びも
ニュースバリューあるわけですね。
その先駆的情報、先駆的技術を「よくわからん」という一言でバッサリするのが
マスメディアの取材かよ?と僕は日々疑問を投げかけています。
ITを毛嫌いするマスコミ連中に対し。。。。
で、これらの考えに基づくマスコミ人は
「IT出遅れ組」こそ正しい論、「IT格差是正」論などを持ち上げます。
同時にITベンチャーたたき、ITにはヒューマニズムがないぞ論、
ITは弱者を切り捨てている論を展開させます。
こうやって、あまり情報を持たない人を「煽る」ことを最近のマスコミはやっていないか?
日ごろのニュースやら、制作能力の乏しいグルメ番組などを見てて
益々感じる次第です。
そういうコンテンツがテレビや新聞に存在するから、情報獲得にITを使うことを
厭わない人だけが、ITを駆使して情報を得、非ITユーザと情報格差がますます
できていくことでしょう。
今、二極化の川下にいるマスメディアは多いんじゃないかな?
僕はそう感じてならないです。